お知らせ

コンタクトレンズについて

2025/09/04

過去に当院院長が『健康ライフさかい』に寄稿した記事を紹介します。
コンタクトレンズ(CL)を初めて考えたの は誰だかご存知ですか? 実はレオナルド・ダ・ ヴィンチと言われています。500年も前にアイ デアがあったのですからすごい歴史ですね。その後19世紀後半にドイツでガラス製CLが製作され、20世紀前半に欧米でハードコンタクトレ ンズ(HCL)が開発されました。我が国では 1949年に臨床試験に着手し、数年後に実用化されました。1960年代になって欧州でソフトコンタクトレンズ(SCL)が開発され、1971年に実用化されました。1988年に使い捨てSCLが認可され、現在主流になっているのは周知のことだと思います。
HCLは視力矯正効果が良く、上手に使えば長持ちしますが異物感が少し強いことや、紛失しやすいことが欠点です。従来型のSCLでは異物感は少ないですが消毒が必要なことや汚れやすいので、HCLのように長持ちはしないのが欠点です。このSCLの欠 点を補うためにできたのが使い捨てSCLです。使い捨てSCLには毎日交換する一日使い捨てタイプ、2週間や1か月で交換する頻回交換型タイプ等がありそれぞれ一長一短があります。CLは眼球に重大な影響を与える恐れがあるため高度管理医療機器に指定されています。必ず医師の診療を受けて適切なCLを処方してもらうとともに医師の指示に従ってください。
さて次は今若い女性に人気のあるカラーコンタクトレンズ(カラコン)についてお話しします。カラコンとは文字通り見た目にわかる色の着いたSCLのことです。カラコンは、もともと病気やけがのため角膜(黒目)が白くなり、他人から変な目と見られるのをなくすため整容目的として作られ、厚生労働省で医療機器として認可されました。しかしながら近年おしゃれ 目的で若い女性を中心に流行しています。おしゃれ用カラコンで度なしのものは当初雑貨品として取り扱われたため認可の必要がなく、無規制で販売されていました。その結果、目の障害が多発し、現在では高度管理医療機器となっていますが着色部分の規制がなく、いまだに障害があとを絶ちません。どのようなカラコンも通常のCLに比べて目の障害を起こしやすく、視野が狭くなったり、夜間見にくくなったりすることがあるため眼科医の管理が必要ですが、多くのユーザーは眼科医の関与なく購入しているようです。カラコンをしたいと思ったらまず眼科医の診療を受け装用すべきかどうか判断してもらって、装用可能と判断されたら必ず眼科医の指示に従って処方を受け てください。
なお充血など目の症状があるにもかかわらずCLを装用されている方がおられます。大変危険ですので目の調子が悪い時はCLは絶対に入れずに眼科受診してください。どんなCLも目にとっては異物です。目に傷がつくとなかなか治らなかったり、最悪の場合失明することもありますので十分注意し てください。
健康ライフさかいVol12,2016
『健康ライフさかい』第12号 平成28年3月